2010年1月14日木曜日

データはウソをつく-科学的な社会調査の方法

谷岡一郎著

おもしろかった。この方も研究者。
別に研究者に関係ある本を選んでいるわけではない。
これは会社のマネージャーさんからお借りしたうちの一冊だ。

新聞、メディア等がどうやって数字を操作し、意図する方向に人を誘導しているかがわかる。
仕事で数字を取り扱うのが主な仕事のため、作り方次第でまったく異なる印象になることは知っていた。

そのせいか新聞等でグラフを見かけると、実はいつもよく理解できないでいた。(ただ、単に頭がよくない?)
というのは、そこにある情報だけじゃ、ちょっとそうと言い切れるか判断しがたい、もっと細かく知りたいんだけど。といった感じ。

第五章あたりで、世にあふれる情報をどうやって本物を見分け、上手く選択するか(ちょっと違うかも)に必要な大前提の能力が提示される。何しろ私は全てにおいて十分ではない。
特に教養...。本当に世の中のこと何も知らず。

この能力があれば、新聞グラフ問題も片付くのかもしれない。

2010年1月12日火曜日

容疑者Xの献身

東野圭吾著

姪っ子が「面白かったから読んでみて」と貸してくれたので、読んでみる。
サスペンス?は松本清張さんや子供の頃、赤川次郎さんの本を読んだけれど、最近はほとんど読んだことがなかった。平日の通勤電車から読み始めて当日中に読み終わってしまうほど、ぐいぐいと読者を引き込んでくれる。サスペンスとして面白いだけではなく、生きることの切なさを感じさせる本だと思う。

ちなみに容疑者X = 石神が数学者というところに個人的には興味深々。
四色問題って初めて聞いたけど、何々???

かっこいいなと思ったのが、最後の方にこの天才数学者が自分に語るくだり。

「誰かに認められる必要はないのだ、と彼は改めて思った。論文を発表し、評価されたいという欲望はある。だがそれは数学の本質ではない。誰が最初にその山に登ったかは重要だが、それは本人だけがわかっていればいいことだ。」

「それは数学の本質ではない」
「それは数学の本質ではない」
「それは数学の本質ではない」

何においても、この本質からずれないでいることは思うより難しい。
純粋な情熱や愛や興味を持ち続けていられれば、本質からそれほど遠ざからないでいられるだろう。