2012年2月22日水曜日

お金から自由になる法則

ボード・シェファー著

久しぶりに啓発本を読んだが、こういう本はリポビタンD(好きです!)のような効果があると思う。
つまり、本当に効能のある成分が吸収されたかどうかはさておき、一過性の気分の高揚をもたらしてくれる。(ので、私には時々必要)
お金の本によくある、基本的なお金の使い方(貯蓄する、複利の効果を知る、投資するなど)と目的を達成するための方法の組み合わせといった感じである。
いいなと思ったのが、コーチやエキスパートを活用するという章。手本となる人を模倣する、自分より成功している人の話だけを聞くなど、私好みである。日々、会社の重役にあたる人たちと接しているが、やはり学ぶことがとても多い。人との付き合い方、挨拶の仕方、生活習慣、お金の使い方など、本当に尊敬できる人々に囲まれている。なんて幸せなんだろう。

2012年2月5日日曜日

日本の動物法

青木 志著


動物に関して知りたくて、借りたはいいが法律に関して何も知識がないので、読むのに少しばかり苦労する。しかしながら、情報が体系だって整理されているので、集中して読むことができればとても分かりやすい本だと思う。(以下、学びきれておらず、これから書く内容には誤りもあると思う)

これまで、イギリスは生物に関する先進国というイメージがあったが、この本を読んでその理由が分かった。狩猟鳥獣などを保護する法令は中世からあるが、動物を不必要な苦痛から保護するという動物自身の利益が保護される法律がイギリスで始めて1822年に成立している。これに比べると日本は動物に関する法律という点で、全くの発展途上国で、ここ十数年の間に急激に発展しているため、新興国のようなイメージだ。
(ちなみにイギリスの法律、憲法(どっちだっけ?)は成文化されておらず、独特の制度だと知った。)日本の法律には「人」か「物」しかなく、「動物」というカテゴリーは存在しない。一方イギリスの法律には動物という主体が存在する。

そして、イギリスの動物愛護団体がなぜあれほど活動できるか、その説明を読んで納得した。一つ目が、イギリスの法上では刑事訴追に対する権限を一般人(?)が持てる私人訴追が認められている。日本ではその権利は検察官が独占している。これはどういうことかというと、例えば、日本において動物愛護団体が動物愛護法を違反している個人を見つけたとする。しかしながら、動物愛護団体はその罪を裁判の場に持ち込むことができない。それをできるのは検察官だけである。イギリスでは動物愛護団体が、罪を裁判に持ち込むことができる。

二つ目がその圧倒的な財政力の違いである。イギリスを代表する王立動物虐待防止協会は、「王立」とついているものの、国営ではない。その主な財源は寄付金。2007年の収入を見てみると約150億円。そのうち2億円以上の金額を訴追に費やしている。では日本の代表的な愛護団体の収入を見てみると、日本動物愛護協会2007年度の収入は8000万円ほど。全く規模が異なるわけである。



秘密の動物誌

ジョアン・フォンクベルタ、ペレ・フォルミゲーラ著


図書館の動物関連の本が置いてある場所で、見つけた。開いて数ページ目には、実在したらしき少し古い時代の研究者の顔写真がある。そしてページをめくり続けると、奇妙な動物たちの姿が。例えば、ガラパゴス諸島に住むトレスケロニア・アティス。長いくちばしを持った鳥が亀の甲羅を背負っている。

仕事でスコットランドに短期滞在した、写真家の二人が借りた家の地下室から、大量の写真と不思議な生き物の標本を見つける...という風にこの本は始まる。不思議な生き物を発見した研究者のその成果を図鑑のようにして紹介している。

しかしながら、その動物たちの姿は一目見て合成したものだと分かる。読み進めるとどうやら、これは一つの芸術作品らしい。つまり、スコットランドに滞在というところから全てフィクション、創造されたものであった。

その種明かしが最後の「解説」にある。これは彼らの写真を使った現実の認識に対する一つの実験だった。
人間が月面着陸したことを、その写真を見て信じている。しかしUFOの写真は信じない。
一体本当に人間は月にいったのか?そして彼らは「絶対的な真実など存在せず、たださまざまな程度で真実に近似して見える幻想があるばかり」ということを発見をした。
この変な生き物の写真がある、さあどうだ?もっともらしい学術的な動物の生態に関する説明もある、さあどうだ?そして、このおかしな新種の動物を発見した研究者の経歴と歴史についても記載がある。ますます本当らしい。さあどうだ?

実在する動物の本かと思って、少し変とは思いながらも借りてしまった。私も創られた真実に上手いこと騙された。