2011年1月16日日曜日

昭和史 1926-1945

半藤一利著


その時々に夢中になるものがあって、ちょうど2010年末から2011年初に夢中になっていたのが「戦争」だった。借りるDVDも戦争映画ばかり、読む本は太平洋戦争に絞って読んでいた。そのうちの一つがこの本で、シリーズで戦前と戦後と2冊の本が出版されている。


昭和史の前半にあたる本書では、日本が太平洋戦争に至る背景から書かれており複雑に絡まった歴史の要素が簡潔に500ページあまりに記されているが、語りかけるような文体と著者のユーモアにより大変読みやすく、ぐいぐいと読めてしまう。


日本史を勉強したのは中学までで、例えば2・26事件は軍人が政治家を殺したくらいの記憶しかなく、またそれが一体歴史上でどんな意味を持ったかなどということはもちろん学校で学んでいない。この事件は恐怖として当時の国民、政治家、天皇にも心に焼き付けられ、そしてそれが陸軍の台頭に結びついていったことをこの本で初めて学んだ。もちろん一般教養としてそんなことぐらい誰でも知っているのかもしれないが、私はこの本で久しぶりに興味の源を刺激され、さらに歴史というものを知りたくなった。元々歴史は苦手で、知る必要性は感じながらも手が出なかった。学ぶというのはとても楽しい。知らないことが多くあり、無知な自分に感謝である。
なぜって、知る喜びがまだまだたくさん残っているから。