2012年5月7日月曜日

腸からはじめる幸せ健康法

新谷弘実著

食べ物にアレルギーがある会社の同僚から借りた本。著者の新谷氏はアメリカで活躍する胃腸内視鏡分野の医者である。雑誌のような薄めの本で、中には新谷氏だけではなく他の複数の医者が腸内環境、特に乳酸菌と健康の関係を述べている。新谷氏はアメリカで診察にあたっていたのだが、肉食を中心とするアメリカ人の食生活は胃腸に悪いことに気がついた。そのために汚れたり荒れてしまっている胃腸の写真も掲載されている。確かこの本で読んだと思うが、成人病大国となってしまったアメリカは状況を改善するために、国をあげて野菜を多く取るよう奨励し、現在のアメリカ人の野菜摂取量は日本人のそれを上回っているそうだ。また、日本では農作できる土地が限られていて、長期間にわたる農薬や科学肥料の使用により収穫される野菜自体の栄養価が下がっている。同じほうれん草でもアメリカで育ったほうれん草の方が栄養が豊富ということだ。一般的なアメリカ人の肥満ぶりを見ると、野菜の摂取量については信じられないが、野菜の栄養価については本当かもしれない。もともと肉食の歴史が長い白人は脂肪を溜めやすい体にできているため、もしかすると現在の日本人も表面に現れていないだけで十分不健康なのかもしれない。
本書で薦められている食生活についてはマクロビやその他菜食を中心とする健康法と似通っている。動物および鶏の肉食を既にやめていたので、提案されている生活方針には納得。
ここで新に学んだのは副交感神経と、交感神経のバランスについてだ。白血球に含まれるリンパ球の割合が多くなると副交感神経がよく働きリラックスした状態になる。顆粒球が増えると交感神経がよく働き活動的になる。そして人間はこのバランスを上手くとっていないと病気になる。ストレスいっぱいの生活もだめだが、リラックスし過ぎても病気になるということだ。