2011年6月22日水曜日

勝間和代のお金の学校

勝間 和代 著


勝間さんの本だが最近よくある授業をイメージした装丁で4つの分野を4時間の授業となぞらえ、それぞれ異なる専門家へのインタビュー形式となっている。テーマは金融とリスク、投資信託、株式投資、社会的責任投資である。中でも興味深いのが竹中平蔵氏へのインタビューである金融とリスクでこの章のタイトルは「世の中の大きな動きの中で金融をとらえる」となっている。やはり、私は大きな世界から物事を見るのが好きらしい。果たしてそうじゃない人も世の中にいるのだろうか?ミクロ好き?

さて竹中氏の授業で何を学んだかと聞かれるといくつかあるのだが、新しい概念を学んだという意味で最も勉強になったのがリスク=危険ではないということ。ここでピーター・バーンスタインの「リスク」という本に触れられるが、「リスク」という言葉は宗教改革によってできたもので、神から自由になることによって発生したもの、つまり自由があるからリスクがあるということらしい。金融も非常に厳しく管理されてきたが、資産活用のために自由化されそれによってリスクが伴ってきたということらしい。本書にはこれだけしか書かれていないので、深くは理解ができないのが残念だが、詳しくは「リスク」を読んでみようと思う。

今日会社で偶然にもこの本の話が会社で出た。彼女は大学の授業でこの本を読まなければいけなかったそうで、金融や経済の分野では誰もが知っている本のようだ。

他には日本には「金儲けは汚い」という思想があり、お金に関する教育がなされていないことや、国民全体の金融リテラシー(リテラシー=特定分野について理解しそれを使いこなす能力)が低く、政治家ですら名目金利と実質金利を混同したまま議論を進めそれを正さない司会者といったことがあるなど、とても興味深い内容だった。