2011年6月28日火曜日

金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った

阿部 芳裕 著


金融システム設計者の意図を探ればすべての謎が解けてくる!とコピーのある表紙を見てアマゾンで購入をしたのだが、中身はいわゆる陰謀説である。私はあまりこの手のネガティブな姿勢の本があまり好きではないのだが、ここにはれっきとした事実も含まれるのであろうから、あまり妄信的に信じ込まないように読み進めた。お金の歴史、お金の問題点、金融の歴史、ロスチャイルドの世界行動計画、ロスチャイルド関連の世界史、現状、未来と簡潔にまとめられ、また経済の歴史をざっと学ぶのにはとてもよかった。内容はロスチャイルドの世界行動計画(古い記録で実存したか不確かであり、自分たちさえよければ他には何をしてもいい姿勢が見られる)に基づき、世界の金融はほぼロスチャイルド系列の人々によってコントロールされているという筋書き。もし本書に書かれたことが本当だとしたら、なぜこのような計画を立てようと思ったのか、また現在の日本で暮らしていてそれに反対しようとする人々の一番の動機は何なのか?と考えてしまった。時に支配されたくないと思うのは支配したいの裏返しである。そして本書に書かれたことが本当ならつまるところ彼らは賢く、強いのである。著者も最後にこう記している。

=引用=
ロスチャイルド一族をはじめとする国債金融資本と、その同盟者であるエスタブリッシュメントたちは、明確な目標を共有し、それを実現するための具体的な計画を立て、決してあきらめずに何世代にもわたって彼らの理想とする社会を創ろうとしてきました。これは、ある意味、最高の成功哲学の実践例です。これを「陰謀」などという低いレベルのレッテルを貼って軽視する人間は、戦略的思考を持っていないのでしょう
=引用終=

物事の一面を切り取って、意図に沿うように切り張りすることの力を感じる。