2011年7月11日月曜日

バフェットの教訓

逆風の時でもお金を増やす125の知恵
メアリー・バフェット&デビッド・クラーク著


世界で最も有名な投資家と言えばこの人ではないだろうか。投資や金融について何も知らない私ですら昔から名前だけは知っていた。バフェットの弟子にあたるデビッド・クラーク氏が書き留めたバフェットの叡智から書き起こした本である。
14章に分かれたテーマ別にウォーレンバフェットの言葉が書いてあり、説明がつけられている。

これらの会話の断片である言葉を読み進めていくうちに、バフェットの投資に対する基本的な姿勢が見えてくる。自分自身が何をしているか完全に理解できる少数のビジネスに投資する。市場のパニックに惑わされず落ち着いて企業の本来の価値と能力を見極めて安値で株を買い、じっくり育てるといった感じである。思うにとても複雑な要素で構成される投資というものを簡素化して、それを貫いているような印象を受けた。これを読み終えてはっと思ったのだが、彼がやっていることこそ本来の投資なのだ。

金融自由化によりネット証券会社が設立され、個人にとっても投資をすることが随分と身近になった。デイトレーダーなどゲーム感覚で投資(投機)をする人たちが現れた。本来投資とは会社の将来性にお金を出してその成長によるリターンを得るものだと思う。売買によるキャピタルゲインというものも、デイトレのように分単位で考えるものではなかったはずだ。ウォーレン・バフェットの言葉を読んでいると本来の投資とは何かということをじわじわと実感してくる。

なぜだかとても気になった言葉を引用する。

「愚か者でも経営できるビジネスに投資しなさい。なぜなら、いつか必ず愚かな経営者が現れるからだ。」