2011年7月24日日曜日

金持ち父さん貧乏父さん

アメリカのお金持ちが教えてくれるお金の哲学
ロバート・キヨサキ+シャロン・レクター著

結構多くの方が読んでいるのではないかと思うこの本だが、発売された当初に読んだ。
その頃はあまりに経験がなく、読み終わったもののあんまり理解ができていなかったのではないかと思われる。内容はほとんど覚えておらず、不動産投資で成功した日系アメリカ人の書いた本という程度の印象しか残っていなかった。

先月あたりから始まった経済、投資、金融の本を一年間で100冊読む計画のため、再度読んでみようかと思案していたところ、ちょうど実家の本棚で見つけた。誰かから借りて読んだ気がしていたが、母から借りて読んだらしい。

高い教育を受けたがお金に苦労した実父と事業をいくつか経営している友人のお金持ちな父親からお金に関して相反する教育を受けながら著者は育つ。始めて教えを受けた9歳の時以降、著者はお金持ちな父親からお金に関する教えに従い続け、47歳でビジネスの一線から退けるだけの富と成功を手にいれる。お金持ちの父親から学んだことが教えの書として6つに分けられ、3つに分けられた実践の書へと続く。二度目の今回は全文を自分の中にしっかりと取り込むようにじっくり読み、内容も完全に理解できた。(持家が負債という定義があるが、企業の会計上は資産になるところをどう頭の中でつじつまを合わせるのか、個人の場合は負債?また他に会計上資産になるもので実は負債のものがあるのかもう少し詳しく知りたかった点を除いては曇りなく理解できたと思う。)ファイナンシャルIQを身につけ、自分の正確に合った方法でリスクを取って投資し、会社を作って節税する。今まで数冊本を読んできたが、たいてい実践すべき行動は同じだ。ただ、この本を読んでいるともっと色々なことを勉強したいと思ってくる。

例えば、節税の章に書かれているのだが、アメリカとイギリスには本来税金というものがなく戦争のために一時的に取り立てられるだけだったそうだ。イギリスでは1874年から、アメリカでは1913年から所得税が毎年取り立てられるようになった。そして、独立戦争のきっかけとなった「ボストン茶会事件」は紅茶にかけられていた税金が重すぎたことに端を発するとある。ボストン茶会事件ってなんだっけとWikipediaでしらべてみると、本題から逸れるがこの時紅茶の不買運動が起こったせいでアメリカ人にはコーヒー党が多いとある。日本がイギリスに占領されていたら、間違いなく紅茶が広まっていたということか。
日本は昔から農民がお米などの農作物を年貢として納めてきたと思うが、いつ頃始まったのだろうか?と税に関する疑問が膨らんできりがない。なぜかわからないが、私は税金とウィルスにはとても惹かれる。

また、金持ち父さんが子供だった著者に教えた「お金は実際には存在しない」ということ。これは2008年のリーマンショックの混乱をニュースで見聞きし、「貨幣の経済学」を少し読んだ私も始めて知って、そしてとても驚いた。とても不思議である。お金とは「これがお金だってみんなが同意して決めたもの」と説明されている。実際に存在しないお金が、なぜ価値を持って未だに存在し続けられるかについては「貨幣の経済学」を読むともう少し分かると思う。そして多分、数学も勉強し直した方がいいかもしれない。

ベストセラーとなったハウツー本のように思っていたが、この本はお金についての奥深く書かれた良書だと思う。ただ、これをさっと軽く読んだだけで、何も実行しない人はもちろんお金持ちにはなれない。