2011年7月16日土曜日

ワンランク上の問題解決の技術[実践編]

横田尚哉著


仕事で少し困ったことがあり、尊敬できる女性マネージャーに相談したところ「これいいですよ。読んでないんだけどあげます。」と言われたので、いただいた本。彼女はコンサル出身なので、こういう本を読むんだなぁと思った。

実はこういうの結構苦手と本を開いたのだが、意外にも始めからこれは使えるかもしれないと思った。公共事業の設計に長い間携わってきた建設コンサルタントの著者が、GEで生まれたファンクショナルアプローチという手法を紹介している。

このファンクショナルアプローチの始まりについても説明がある。ファンクショナルアプローチは第二次世界大戦のGEで生まれた。工場内の監査の際に、床に塗装したアスベストを交換する必要があると知らされた担当者は新しいアスベストを探していた。しかし、必要なだけのアスベストは見つからず困っていたところ、「何のためにアスベストが必要なのか?」と誰かがたずねた。そこで、探していたものは「アスベスト」ではなく「不燃材料」と気がついた。もの自体ではなくその機能に働きかけるのが、ファンクショナルアプローチである。

「もの」が何のために誰のためにどのような機能を果たしているかを軸に問題解決をしていく。

いくつかの段階に分けられた具体的な進め方の説明がある。この本をテキストにして実際に問題を解決できるか試してみるといいと思う。様々な問題解決の手法の中で共通している段階が5つある。問題の認識、改善点の特定、解決手段の洗濯、解決手段の適用、改善効果の評価。このうち特に重要なのが、問題点の認識と、改善点の特定である。
そして改善点の特定は確かに難しそうで、様々な手法が考案されてきたそうだ。

最後の方に朝起きてから夜寝るまで目に入るもの、耳に聞こえてくるもの、手に触れるものすべての機能について考えてみることで、これまでとは異なる視点を身に付けワンランク上の問題解決の考え方ができるとある。まずはできることから始めよう。

この本をいただくきっかけとなった困ったことは既に解決したので、次の問題が現れた際に意識してやってみることにした。