2012年3月20日火曜日

銃・病原菌・鉄 上

ジャレド・ダイアモンド著

人類の歴史をアメリカ、ヨーロッパを中心に書かれたいわゆる世界史ではなく、東アジア、太平洋を中心に書かれた本。どこかでみた書評に、ダーウィンの進化論と同じ方法で人類の歴史を書いたものとされている。

なぜ、ある地域では農耕が始まり、他の地域では始まらなかったか、なぜ、ある地域では多くの動物が家畜化されたか、新大陸に進出したヨーロッパ人と、滅びた原住民の違いは何か、など一つ一つの条件を検証しながら、論を立てていく。

やはり、私にとって一番面白いのは病原菌の部分。(ちなみにウイルスに触れているので、病原体であるべきじゃないのかなどと考え悶々としている。原題ではGerms) ヨーロッパ人が新大陸の原住民を滅ぼした原因は単に強い武器を持っていただけではなく、原住民がそれまで遭遇したことのない新しい病原体をもたらしたことにもあると書かれている。ではなぜ、逆が起こらなかったかといえば、南北アメリカでは、病原体の繁栄する環境、狭い範囲で動物を飼育するという動物の家畜化がなく、(南北アメリカには家畜に適した動物種が少ない) また、農耕を主に暮らす、自身の糞尿にさらされる機会も少なかったからとされる。つまり、これらに適応してきたヨーロッパ人はにはある抗体が原住民にはなかった。

最初の部分、地理が出て来るので苦手な私は、時々放棄し読み終わるまでに一年以上かかった。下巻を読み終わるのはいつのことやら。