2010年3月16日火曜日

中国てなもんや商社

谷崎光著

またまた会社の方に借りた本。一体私は彼から何冊本を借りたのだろうか?
「おもろいから送ろうか~?」と、そしてまた電車の中で読むなと指令が...。

新卒で中国貿易商社に入社した女性の奮闘ぶりが書かれている。ノンフィクションで、小林聡美さん主演で映画化もされたらしい。面白いだけではなく、中国貿易の実情や、中国という国の文化、また彼女を取り巻く上司や同僚の人柄が温かく描かれている。1999年に出版されているので、11年の間に中国事情も変わっていると思う。現在の中国貿易をよくご存知の方が読んでも比較ができて面白いかもしれない。

笑ったところを引用。中国から届いた商品を検品している場面。

=引用=

「あっ、このTシャツはまともだ!」
「ああ、それね。着てみると首が入りません。」

整理すればするほど出てくるのは信じられない商品の数々だ。穴が小さすぎて、まったくボタンのかからないシャツ。中国製の刺繍糸を使ったため、色落ちして白地に黒や赤の濃色がにじんでいるブラウス。胸にエンブレムの刺繍をしたジャンバーは、糸きりが全くされておらず、五色の蜘蛛の巣状態である。
そしてきつく編みすぎたらしいカチカチのセーター。パッケージもデザインも大人向けだが、広げると子供サイズである。

---中略---

「うちの乙仲さん(通関業者)がな、万貿易の輸入した傘持って、社内販売の黒いトレーナー着て、子供連れて遊園地に行ってん。そしたら雨が降ってきてな、傘を広げようとしたら不良品で開かへん。ずぶれになったらトレーナーが色落ちして、抱いてた子供が真っ黒になってん。次の日、お宅の会社、本当に大丈夫ですか?って聞かれたわ」

=引用終=

子供真っ黒って。 続編の「てなもんやOL転職記」も楽しみだ。